草野球はプロ野球とは異なるルールやマナーがあります。初心者でも楽しく参加できるように、草野球の基本ルールとマナーを知っておくことが大切です。この記事では、草野球のルールやマナーを詳しく解説していきます。
草野球の基本ルール
草野球では、基本的なルールは公認野球規則に則りますが、リーグ別や地域によって細かなルールが設定されています。自身が参加するリーグや大会のルール設定をよく確認し、違反しないよう注意が必要です。
試合時間
草野球の試合時間は、一般的には1試合90分に設定されています。ただし、90分を超えた瞬間に試合が終わるわけではなく、当該イニング終了まで試合は継続されます。
試合継続時間は最大10分間で、100分に達すると審判が試合終了の宣言をかけますが、イニング終了間際は審判の判断で試合の続行が可能です。
イニング数
草野球のイニング数は、通常7回が上限です。ただし、4回表裏終了時点で試合成立とみなされ、4回終了以前に試合が中止されるとノーゲームと判定されます。5回裏や6回裏に攻撃中のチームが勝ち越すか、逆転した時点で試合時間が90分を経過すると、サヨナラ勝ちと記録されます。
先行後攻の決定
草野球の先行後攻は、グラウンドを確保したチームか、ジャンケンに勝利したチームが決定する方法が一般的です。先行後攻の決定は、野球の試合を左右する重大な意味を持つため、少しでも勝利しやすい体制をつくるには、先行後攻の決定権の確保に努める必要があります。
コールドゲーム
草野球のコールドゲームは、以下の条件がある場合に成立します。
- 4回表終了時点で後攻チームが10点差以上つけている
- 4回裏終了時点で10点差以上ある
- 5回以降7点差開いた
- 5回以降の天候やグランド状態の悪化
コールドゲームが宣言された時点で、試合成立とみなされます。成績の数値は、ゲーム開始からコールドゲームが審判により宣言された時点までが正式記録です。
延長戦
草野球では、通常は延長戦が行われません。7回終了時点で同点であれば引き分けになります。ただし、大会やリーグによっては、決勝トーナメントなどで延長戦が行われることがあります。
サドンデス
草野球では、サドンデスルールは実施されません。7回終了時、同点であれば非原則引き分けとされ、延長戦に入っても同点の場合は、抽選で勝敗を決します。
DH制 (指名打者制)
DH制は、リーグ別に規定されています。一部の草野球大会やリーグでは、チームごとにDH制を設定でき、DH制を採用しなくても問題ありません。ただし、DH制を採用する場合は、投手DHである必要があります。
フルランキング形式
草野球大会では、フルランキング形式が採用されています。フルランキング形式は、チーム勝利数でなく、勝率や奪三振率、長打率など多くの成績で順位を割り出し、勝敗を決めることが特徴です。個人成績も記録され、大会終了時には全個人選手の成績が集計され、上位の成績を残した選手には賞が贈られます。
ユニフォームと背番号
草野球では、ユニフォームと背番号に関するルールがあります。出場選手・監督全員が同じデザインのユニフォームを着用しなければなりません。背番号は、1から999まで着用することが認められていますが、同じチーム内での背番号の重複は認められていません。
選手重複と助っ人
草野球では、選手重複や助っ人制度が認められています。リーグ登録選手であれば、異なるチームでの選手重複が認められます。助っ人は、試合前に事前に申告する必要があります。
審判と抗議行為
草野球の審判は、基本的に1審制度です。ただし、両チームが合意し2名の審判を準備できる場合は、2審制になります。草野球では、原則抗議行為は禁止されています。ただし、プレーに対し審判に確認をしたい場合、タイムをかけ、監督か代表選手1名が審判に確認を取ることができます。
草野球の道具のルール
草野球の道具のルールは、ボールに大きな特徴があります。一方グローブやスパイク、手袋は、高校野球やプロ野球に比べ自由度が高く、細かなルールが存在しません。
草野球のボール
草野球で使用されるボールは、全国軟式野球連盟公認の71.5mmから72.5mmの大きさであるA号かM号とされています。ボールのメーカーはナイガイ、ケンコー、マルエスとあり、ルールではメーカーの指定はされていません。
草野球のバット
草野球のバットは、公認野球規則にしたがった規格のバットを使うことが草野球のルールにされています。バットの材質は、木製、金属、ポリウレタンのいずれも使用可能です。JSBBマークが貼られたバットであれば、草野球で使用する規格を満たしたバットであることの証明と捉えられます。
草野球のスパイク
草野球のスパイクには、カラーや形のルールがなく、自由に着用できます。ユニフォームや帽子はチーム統一でなければなりませんが、スパイクはカラー、形、歯部(金属やゴム)に指定はありません。
草野球のヘルメット
草野球のヘルメットは、チーム統一のカラーやロゴである必要があります。ヘルメットもバット同様、JSBBマークがあるものを選ぶとよいです。
草野球のグローブ
草野球のグローブには細かいルールがありません。しかし、投手用に限って、細かなルールが設けられています。
- グラブ本体は単色で白、灰色以外の色
- 光沢のある色、目立つ色は不可
投手のグローブはとくに、審判がボールかグローブかわかりにくい色でないようにしましょう。野手はグローブのルールが自由ですが、ポジション別に適したグローブの選択することがおすすめです。
草野球の手袋
草野球の手袋に細かなルールは決められていません。ただし、手袋には守備用手袋とバッティング用手袋があり、2種類の手袋は使い分けることが必要です。
草野球のサングラス
草野球でサングラスの着用にルールはありません。バッティングのときにサングラスを着用しても問題ありませんが、視力矯正の場合を除き、目のケガ防止の観点からおすすめできません。
草野球のマナーと暗黙のルール
草野球を楽しむためには、マナーや暗黙のルールを守ることが大切です。以下では、草野球でのマナーや暗黙のルールについて解説していきます。
人数不足なら助っ人の手配もまず前提
野球は9人で行うスポーツです。練習試合を申し込んでおいて人数不足なんで選手借りてもいいですか?というのはマナー違反です。助っ人の手配等も含めて少し余分に選手を確保するか、事前連絡の徹底を意識付けるようにしましょう。
グランドに入る時は帽子を取って一礼する
グランドに入る時と出る時は脱帽して一礼するだけで相手からの印象は全然違います。あるいは打席に入る前にピッチャー、キャッチャー、審判に一礼するようにしましょう。
相手チームには元気よく挨拶をする
相手チームと試合中バチバチになるのはわかりますが、グランド外では人間対人間です。試合開始の挨拶はもちろん、試合前グランドに到着した時に会った時にしっかり挨拶しましょう。そして終わった後、負けたとしても悔しい気持ちを噛み殺し、良い試合をしてくれた相手チームに感謝の言葉を伝えましょう。
野次や応援には気を付けよう
相手のチームの選手を野次るなんてもってのほかですが、自チームの選手を野次るのも程々にしておくほうがいいですね。相手によっては印象悪く感じる人もいるでしょう。口調や言葉の選び方も気をつけた方がいいです。
攻守交代や審判の準備はダラダラしない!
草野球の多くは時間制です。どうせならたくさんプレーしたいところ。攻守交代をダラダラしてたりするとマナーが悪いと感じられるでしょう。また、練習試合で審判を自テームから出すような時はしっかりと準備できるようにしましょう。
ファールボールは進んで取りに行こう
基本的にファールボールは攻撃側のチームが取りに行きます。これをいつまで経っても取りにかないチームは印象悪いですね。ファールボールの取り合いになるくらい率先して取りに行くのが理想です。
試合後はベンチをすぐに片付けグランド整備
試合終了後はダラダラせずに、ベンチを片付けます。次の試合のチームが待機しています。すぐに片づけた後はみんなでグランド整備をしてください。ここでモタモタしているとやはり印象が悪いです。
草野球での楽しみ方
草野球は、プロ野球とは違うルールやマナーがあるため、楽しみ方も異なります。初心者でも、チーム事情により貴重な戦力となるため、最低限知るべきルールを理解し、草野球を楽しみましょう。
最後に、この記事で紹介した草野球のルールやマナーをしっかりと守り、楽しくプレーすることで、より充実した草野球ライフが送れることでしょう。